はてな公開問題

[刑訴法]
次は、自白の補強証拠についての記述であるが、誤りはどれか。

(1)自白を補強する証拠は、共同被告人の供述であっても差支えない。

(2)被告人の公判廷における供述のみで賭博の常習性を認定しても、刑事訴訟法319条2項に違反しない。

(3)被告人が嫌疑を受ける前に作成した備忘録、手帳等も、自白に対する補強証拠となり得る。

(4)被告人の自白と盗難届書だけで盗品等譲受けの罪の犯罪事実を認定しても、刑事訴訟法319条2項に違反しない。

(5)窃盗被害届書記載の被害日時が自白のそれと異なっていても、被害の場所、被害者、被害物件等窃盗の具体的な客観的事実の記載が自白と一致しているときは、この被害届書を補強証拠とすることができる。

⇒「自白」からの出題では、補強証拠に関しての問題が中心である。(1)いかなる証拠が自白の補強証拠になりうるのか(補強証拠適格)、(2)補強証拠は犯罪事実について必要であるが、犯罪事実のうちどの部分に必要か(補強証拠の必要な範囲)についての出題頻度が高い。本問は、この(1)と(2)からの出題である。

正解(2)

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刑事訴訟法講義 第4版

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刑事訴訟法判例百選 第9版 (別冊ジュリスト 203)

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[行政法]立入り

次は、警察官職務執行法6条による立入りについての記述であるが、誤りはどれか。

(1)この立入りは行政目的の立入りであるので、立入り後、逮捕等の刑事手続をとることは許されない。

(2)法6条1項による立入りは、即時強制として立ち入るもので、相手方の承諾がなくてもできる。

(3)法6条2項による立入り(公開の場所への立入り)に対して、相手方は正当な理由がなくこれを拒否することができない。

(4)立入りに際し、管理者等から要求された場合、その理由を告げ、警察手帳を示す等身分を明らかにしなければならない。

(5)立入りに際しては、みだりに関係者の正当な業務を妨害してはならない。

⇒危険時の立ち入り(6条1項)の要件は、(1)危険な事態の発生、(2)生命等への危害の切迫、(3)危害予防等の目的、(4)やむを得ないと認めるとき、である。覚えておく必要がある。

正解(1)

(1)誤り。
→本条は、危害予防、被害者救助、犯罪の予防等の警察責務の遂行のため一定の条件のもとに一定の場所に立ち入ることを認めたもので、あくまで行政目的のためのものであるが、立ち入った結果、犯人の逮捕その他の刑事手続をとることは差し支えない

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注解 警察官職務執行法

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注釈 警察官職務執行法 再訂版

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はてな9月25日公開問題(刑法)

次は、想定事例と適用罪名(財産犯以外の罪名を除く)を組み合わせたものであるが、誤りはどれか。

(1)窃取した銀行の預金通帳と印鑑により、銀行から現金の払戻しを受けた。〜詐欺罪

(2)甲は友人から車を借りてドライブ中、車のダッシュボードを開けたところ、現金5万円が入っていたので、費消してしまった。〜横領罪

(3)自己の口座に誤って振り込まれた現金をキャッシュカードを用いて引出し領得した。〜窃盗罪

(4)深夜一人で販売業務を任されていた深夜スーパーのアルバイト店員が、レジの中から現金を不法に領得した。〜横領罪

(5)ゴルフコース内の池に打ち込まれたゴルフボールを、夜間ゴルフ場に忍び込んで持ち去った。〜窃盗罪

⇒刑法の各種犯罪成否の判別能力(擬律判断)は、抽象的な犯罪の成立要件を暗記しただけでは、身に付けることはできない。本問にあるような単純な事例を、数多く練習し、身に付けるほかないと思う。

正解(4)

(4)誤り。
→スーパーの店員は、店主の占有を機械的に補助するものにすぎないから、店員は占有補助者又は監視者にほかならない

→したがって、店員が店主の占有を排除してその財物の占有を取得する行為は、窃盗罪を構成する

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刑法基本講義―総論・各論

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最新重要判例250 刑法 第8版

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供述拒否権

刑訴法〈97〉

次は、供述拒否権についての記述であるが、誤りはどれか。

(1)取調べの途中で取調官が交代した場合は、再告知しなければならない。

(2)任意の取り調べをする場合でも、被疑者に供述拒否権を告知しなければならない。

(3)同一の被疑者に対する数罪の取調べに際しては、犯罪事実ごとに告知しなければならないというものではない。

(4)供述拒否権は、実際に調書を作成する際に告知すればよいというのではなく、下調べの段階で告知する必要がある。

(5)身柄拘束中の被疑者を取り調べる場合は、たとえ他の事件の参考人として取り調べるのだとしても、必ず供述拒否権を告知しなければならない。

⇒供述拒否権の告知(198条2項)からの出題は頻出であり、かつ出題範囲も網羅的である。告知の趣旨(憲法38条1項との関係)、告知の時期、告知の方法、告知の例外、などが繰り返し出題されている。

正解(5)

(5)誤り。
→刑訴法198条2項は、供述拒否権について規定しているが、これは被疑者の取調べに先立って行わなければならないというものであるから、身柄拘束中の被疑者であっても、参考人として取り調べをする場合には、供述拒否権の告知は不要である


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事例演習刑事訴訟法 (法学教室ライブラリィ)

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刑事訴訟法 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)

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今日の模擬試験

こんにちは。水野です。

病気等のためしばらく休んでいましたが、再開したいと思います。
内容等も順次変えて行こうと考えていますが、まずは、SA問題から始めたいと思います。

よろしくお願いします。

憲法

次は、憲法52条等に規定された「国会の種類及び会期制」についての記述であるが、誤りはどれか。

(1)国会の会期には、常会、臨時会及び特別会の3種類がある。

(2)常会は、毎年1回召集され、一般的には通常国会と呼ばれ、1月に召集され、会期は150日間とされている。

(3)会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しないという「会期不継続の原則」は、憲法上明示されている。

(4)衆議院議員の任期満了による総選挙後召集されるのは、特別会ではなく臨時会である。

(5)一度議決した案件については、同じ会期中に再びこれを審議しないという「一時不再議の原則」は、憲法や国会法にも明示されていない。

⇒日本の国会は、常設制をとらずに、一定の限られた期間だけ活動する会期制を採用する。国政全般の効率的運営の見地から常設制は必ずしも望ましくないという理由のもとに、明治憲法下の帝国議会以来、この制度を採用している。憲法、国会法で定める3種類(常会、臨時会、特別会)は、その内容・特徴を押さえておく必要がある。

正解(3)

(3)誤り。
憲法は、「会期不継続の原則」を明文では規定せず、国会法がこれを定めている(68条)

→会期はそれぞれ独立のものと考えられており、一会期中に議決に至らなかった案件は、原則として、審議未了として廃案となり、後会に継続しない





新・判例ハンドブック憲法

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憲法1 第5版

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8月「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑法〈79〉
次は、保護責任者遺棄罪についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)本罪の主体は、老年者・幼年者・身体障害者又は病者を保護すべき責任のある者でなければならない。

(2)本罪の保護義務の根拠は、法令の規定による必要があり、当事者の契約はその根拠にならない。

(3)本罪の遺棄は、単に作為による場合だけでなく、不作為による場合も含む。

(4)本罪の遺棄行為は、要保護者の生命・身体に対する抽象的危険を含むものであれば足りる。

(5)夫が重病の内縁の妻を看護しないで放置した場合、本罪が成立する。

⇒遺棄の罪は、扶助を要する者を保護されない状態におくことによって、その生命・身体を危険にさらす罪であり、基本的に、被遺棄者の生命・身体に対する危険犯であるが、多面、遺棄者の被遺棄者に対する保護義務懈怠罪としての性格も併せ有する。

⇒単純遺棄罪(217条)に比べ、保護責任者遺棄罪(218条前段)の法定刑が著しく加重されているのは、保護責任者が、その保護義務を怠って被遺棄者を遺棄するところに重い非難が加えられるからである。

正解(2)

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刑法基本講義―総論・各論

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最新重要判例250 刑法 第8版

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8月2日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈79〉
次は、不服申立てについての記述であるが、誤りはどれか。
(1)行政機関の違法又は不当な処分によって被害を受けた国民が、行政機関に対してその是正を求めることを不服申立てといい、審査請求、異議申立て、再審査請求の3種類がある。

(2)不服申立ては、簡易、迅速、安価に行うことができるという利点があるが、行政機関の処分の妥当性について争うことはできない。

(3)その処分を行った行政機関に対して指揮監督権を有する上級機関がある場合には、審査請求の方式によることが原則である。

(4)その処分を行った行政機関に対して指揮監督権を有する上級機関がない場合には、処分を行った行政機関に対して異議申立てを行う。

(5)再審査請求は、処分についての審査請求の裁決に対して更に不服申立てを行うものである。

⇒行政機関による違法行為によって損害を受けた者は、国家賠償の方法により、その損害賠償を求めることができる。

⇒しかし、金銭での賠償では被害者の救済には不十分であることから、損害賠償とは別に、行政庁に対し、違法または不当な処分その他公権力に当たる行為に関し、その行為の取消しその他の是正を求める行政不服申立制度が必要となる。

正解(2)

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行政法概説〈1〉行政法総論 第3版

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はじめての行政法 第2版 (有斐閣アルマ)

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