5月30日「法学基礎問題」配信分のメッセージ

「刑法」学習上の注意点(16)
〈2〉共犯と身分★★★
◇甲女は、夫の浮気相手A女に恨みを抱き、同女に恥辱を与え日頃のうっ憤をはらそうと考え、知人の乙男、丙男とA女を強姦することを共謀した。まず、甲女がA女を押し倒し、乙男といっしょにA女の身体を押さえつけてその反抗を抑圧し、丙男がA女を姦淫した。女性には姦淫行為は不可能であり強姦罪の実行行為をなし得ないから、甲女には強姦罪の共同正犯は成立しない(×)
強姦罪はその主体が男性に限られるから真正身分犯であり、身分のない女性は65条1項によって強姦罪の共同正犯となる
→女性も強姦の手段である暴行に加わるという形で実行行為の一部を分担できる