5月7日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

論文問題 憲法〈5〉

公務員の基本的人権について述べなさい。

答案構成例
1.公務員と基本的人権
2.政治的行為の制限
3.労働基本権の制限
4.営利企業等への従事制限

1.公務員と基本的人権
(1)公務員の人権享有主体性
憲法は、国民に基本的人権を保障しており、国民である公務員も基本的人権の享有主体となる
(2)公務員の人権の制限
→全体の奉仕者である公務員は、一般の国民とは異なった特別な地位にある
→公務員として特別な法律関係が成立した場合には、その地位・関係に応じて、必要な限度で一般国民とは異なる基本的人権の制限が許される
2.政治的行為の制限
(1)制限の内容
→政治的行為の自由は、表現の自由の一内容として保障される
地方公共団体の公務員は、政治的団体の結成に関与すること、一定の政治的目的で行う政治的行為が禁止される
(2)判例
判例は、公務員が全体の奉仕者であり、行政の中立性と国民の信頼を確保する必要があることから、合理的で必要やむを得ない限度で公務員の政治的行為を制限できる、とする
3.労働基本権の制限
(1)制限の内容
憲法は、勤労者に団結権等の労働基本権を保障するが、公務員も勤労者であるから保障の対象となる
→しかし、非現業の地方公務員は争議権が否定され、警察職員は団結権、団体交渉権、争議権のすべてが否定される
(2)判例
判例は、公務員が全体の奉仕者であり、職務が公共性をもつこと、公務員の勤務条件は法律と予算によること、代償措置が整備されていることなどを理由に、争議権の制限を肯定している
4.営利企業等への従事制限
憲法は、職業選択の自由を保障するが、地方公務員は営利企業等への従事が制限されている
→公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために全力で勤務しなければならないから、営利企業等への従事を制限することは、職業選択の自由に反するものではない

http://syounin.com/

憲法 1 (有斐閣アルマ)

憲法 1 (有斐閣アルマ)