2月4日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈5〉
次は、逮捕の現場における捜索、差押えについての記述であるが、誤りはどれか。
(1)被疑者宅前路上で帰宅しようとした被疑者を逮捕し、そのまま同人を自宅に連行し、その居宅内を令状なくして捜索、差押えを行った。
(2)逮捕状の発付されている被疑者がマンションの一室に入ったのを現認したので、そのマンションに令状なくして立ち入り、被疑者の捜索を行った。
(3)窃盗被疑者の逮捕に着手したが、被疑者に逃走されてしまった。しかし、この場合も逮捕の現場に当たるので、令状なくして捜索し、遺留品を押収した。
(4)逮捕行為に着手したが逃走した被疑者を追跡中、被疑者が他人の庭園内に証拠品を投げ込んだ。その庭園について、令状なくして立ち入り、捜索、差押えを行うことができる。
(5)令状を得て傷害事件の被疑者を同人の立会いのもとに捜索中、覚せい剤を発見したので、被疑者を覚せい剤所持事実により現行犯逮捕し、令状なくして当該覚せい剤を差し押さえた。

⇒「逮捕の現場での捜索・差押え」(刑訴法220条1項2号)に関する問題は、出題の頻度が高い分野である。「逮捕する場合」、「逮捕の現場」、捜索の範囲、などが問われている。

正解(1)
(1)誤り。
→逮捕の現場とは、逮捕に着手した場所から逮捕完了までの場所をいう
→被疑者宅前の路上で逮捕した場合は、その居宅といかに近接していても逮捕の現場ではない
(2)正しい。
→「逮捕する場合に必要があるとき」に当たる
(3)正しい。
→「逮捕する場合」とは、逮捕行為を行う際にという意味
→逮捕行為に着手していれば逃走されても、「逮捕する場合」に当たる
(4)正しい。
→逮捕の現場の意義ー(1)の解説
→被疑者が逃走途中に証拠物を投げ入れた家屋や庭も「逮捕の現場」に含まれる
(5)正しい。
→逮捕の現場における差押えの対象物は、当該捜索の基礎となった被疑事件に関するものに限られる
→しかし、覚せい剤などの禁制品は、被疑者を現行犯逮捕できるので、逮捕の現場での差押えができる

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刑事訴訟法 (法律学講義シリーズ) 第5版

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刑事訴訟法 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)

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