10月26日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈42〉
次は、行政上の強制執行の内容を掲げたが、誤りはどれか。
(1)懲戒罰
(2)執行罰
(3)代執行
(4)直接強制
(5)強制徴収

⇒法令または行政行為によって命ぜられた義務が不履行のまま放置されていては、公共の利益に支障を生ずることになる。そこで、直接にか間接にか、義務不履行の場合に、義務の履行を強制し、簡易迅速な手続により行政の実効性を確保する手段が必要となる。その手段には、二つの方法があり、一つは、義務違反に対する行政罰であり、他の一つは、義務不履行の場合の行政上の強制執行である。本問は、この後者に関する問題で、頻出問題ではないが、基本知識として理解し憶えておかなければならない。

正解(1)

(1)誤り。
→懲戒罰は、公務員の義務違反に対して、公務員関係の秩序を維持するために科せられる制裁(免職・停職・減給など)である
→したがって、懲戒罰は、行政上の強制執行とその目的を異にし、強制執行の手段ではない
(2)正しい。
→執行罰は、他人が代わってすることができない(不代替的)作為義務または不作為義務について不履行があったとき、一定の期間内に義務を履行しないと過料を科するということを通告し、その威嚇的効果によって間接的に履行を促す方法であり、強制執行の手段である
(3)正しい。
→代執行は、他人が代わってすることができる作為義務が履行されない場合に、当該行政庁が義務者のなすべき行為を自ら行い、または第三者にこれをさせ、その費用を義務者から徴収する方法であり、強制執行の手段である
(4)正しい。
→直接強制は、義務者がその義務を履行しない場合に、直接、義務者の身体または財産に実力を加え、義務の履行があったと同一の状態を実現する作用、例えば、物件を提出しない義務者からその物件を実力で取り上げるなどをいい、強制執行の手段である
(5)正しい。
→強制徴収は、例えば、税金の納付のように金銭給付義務が履行されない場合に、行政庁が、行政手段をもって、その義務の履行があったと同様の結果を実現する作用であり、強制執行の手段である

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