2月2日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑法〈55〉
次は、詐欺罪が成立する場合を挙げたものであるが、正しいのはどれか。
(1)駅の待合室で、Aは居合わせた見ず知らずのBに「荷物を見ててあげるからトイレに行ってらっしゃい」と声を掛け、Bがトイレに行ったすきに荷物を持って逃走した。
(2)Aは、レストランで飲食後、代金が足りないことに気づき、暴力団員でないのに暴力団員であるかのどとくすごんで支払いを免れた。
(3)行商人Aは、10万円はする高級品だが1万円でよいと言って食器セットをBに売ったが、この食器セットは元々1万円相当の物で、粗悪品というものではなかった。
(4)Aは、知人Bのマンションに行き、管理人に「Bからカバンを取ってくるように頼まれた」とウソをついてBの部屋を開けてもらって中のカバンを持ち去った。
(5)Aは、Bに1万円の両替を依頼して1000円札10枚を受け取ったが、1万円札を渡すふりをしてそのまま逃走した。

⇒詐欺罪は、SA問題だけでなく、論文問題、特に事例問題としてよく出題される。そこで、詐欺罪を検討する際の出発点である成立要件は、確実に暗記しておく必要がある。何度も書いてますが、すなわち、欺き(欺罔)→錯誤→財産的処分行為→財物または財産上の利益の取得、という構成要件要素が、客観的には因果的連鎖に立ち、主観的には故意によって包摂されていること、を再確認し、暗記してなければここで暗記しておいてください。

正解(3)

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刑法基本講義―総論・各論

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刑法判例百選1総論(第6版) 別冊ジュリスト189

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