5月2日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈67〉
次は、憲法38条1項の「何人も自己に不利益な供述を強要されない」についての記述であるが、正しいのはどれか。
(1)「何人も」とは、刑事手続における被告人や被疑者のことであり、証人はこれに含まれない。

(2)「自己に不利益な供述」には、有罪判決の基礎となるべき事実や量刑上不利益となるべき事実に関する供述のほか、自己の名誉を傷つけるような事実の供述も含まれる。

(3)本条の規定による保障は、刑事手続においてだけではなく、行政手続においても、実質的に刑事責任追及のための資料収集に直接結び付く作用を一般に有する手続の場合には及ぶとするのが判例の立場である。

(4)供述拒否権の告知は、憲法38条1項の直接の要請であり、捜査機関が被疑者の取調べに当たってその告知を怠った場合、その供述は直ちに任意性を失うとするのが、判例の立場である。

(5)供述拒否権は、自己の意思に反して供述する必要がないことを意味するから、被告人は自己の氏名の供述を拒否することができる。

⇒「自己に不利益な供述」(憲法38条1項)については、階級を問わず、SA問題・論文問題(特に簡記)ともに出題が極めて多く、重要なところである。文言の意味・解釈はもちろん、判例にも注意する必要がある。

正解(3)

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別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

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憲法 1 人権 第4版 (有斐閣アルマ)

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