5月5日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈67〉
次は、再逮捕についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)甲事実により被疑者を逮捕したが、嫌疑不十分のため釈放した。しかし、新たな証拠が発見された場合は、再び甲事実で逮捕することが許される。

(2)同一の被疑事実で逮捕状を請求する場合には、前に逮捕状の発付のあったことを請求書に記載しなければならない。

(3)逮捕の必要性がないとして釈放した被疑者が逃亡した場合は、同一の被疑事実で再逮捕することが許される。

(4)甲事実で被疑者を逮捕したが同種の余罪があるときは、その事実ごとに逮捕することが許される。
(5)通常逮捕した被疑者が逃走した場合は、別に逮捕状を請求し直さなければ同一被疑事実で再逮捕できない。ただし、逮捕行為未完了の場合は別である。

⇒刑訴法は、203条以下で、被疑者の逮捕・勾留について、時間的制約をして人権の保障をはかっている。もし、同一の被疑事実について、逮捕・勾留を繰り返すことができるとすると、起訴前の身柄拘束期間を制限した法の趣旨が無意味となる。そこで、逮捕・勾留は、被疑事実毎に1回しか許されないという原則が導かれる(逮捕・勾留一回の原則)

⇒ただ、ひとたび逮捕・勾留されたら、それがどんな理由で終結しても、またその後どのような事情の変化が生じても、再度の逮捕・勾留は一切許されないとするのは、必ずしも合理的でない場合があり、一回性を原則としながらも、例外の場合を検討することが必要となる

正解(4)

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基本判例に学ぶ刑法総論

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事例から刑法を考える 第2版 (法学教室ライブラリィ)

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