1月19日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈3〉
次は、公権力の行使に基づく損害賠償についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)公権力を行使する公務員が、その職務を行うについて損害を加えたときである。
(2)違法に他人に損害を加えたときである。
(3)損害は、国又は公共団体が賠償する。
(4)国家賠償法では、無過失責任主義をとっている。
(5)国又は公共団体は、公務員に故意又は重大な過失があったときは、その公務員に対し、求償権を有する。

憲法17条は、「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる」と定め、この規定を実施するため、一般法として国家賠償法が制定されている。
正解(4)
(4)誤り。
→公権力の行使に当たる公務員に故意又は過失が存しなければならないとする過失責任主義をとっている(国賠法1条1項)
(1)正しい。
→公権力を行使する公務員が、その職務を行うについて損害を加えたことが、損害賠償の要件である
(2)正しい。
→ここで「違法に」とは、形式的な法令違反のみを指すのではなく、その行為が客観的に正当性を欠くことを意味する
→したがって行政権の濫用、職務上の義務違反なども違法な行為となる
(3)正しい。
→賠償の要件に該当する場合は、国又は公共団体が被害者に対して賠償の責任を負う
(5)正しい。
→加害者である公務員は、被害者に対して直接に責任を負わないが、その公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する(国賠法1条2項)

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行政法

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はじめての行政法 (有斐閣アルマ)

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