1月26日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈4〉
次は、警察官職務執行法についての記述であるが、妥当でないのはどれか。
(1)興行場、旅館、料理屋、駅、その他多数の客の来集する場所には、犯罪予防又は人の生命、身体若しくは財産に対する危害予防のため、管理者等の同意を得て、警察官はいつでも立ち入ることができる。
(2)逃げ出した不審者に職務質問を継続するため、腕に手を掛けて呼び止めた。
(3)警ら中、病人を発見したので保護しようとしたが、本人が強く拒否したので保護しなかった。
(4)2条4項の規定では、逮捕された者について凶器を発見した場合の措置を特に規定していないが、危険防止上、自傷防止のため、これを警察官が取り上げ、保管することを認めたものと解されている。
(5)武器を使用して人に危害を与えることが許される条件は、正当防衛、緊急避難及び凶悪犯人の逮捕等の場合で、かつ、他に手段がない場合に限られる。

警察官職務執行法は、極めて出題頻度の高い分野である。特に職務質問の対象者、手段と適法性の限界については、十分整理しておく必要がある。また、所持品検査の限界については、判例にも注意する必要がある。
正解(1)
(1)妥当でない。
→多数の客の来集する場所に立ち入ることが認められるのは「公開中」に限られる
→管理者等の同意は不要
(2)妥当。
→2条1項の「停止」を任意手段としつつ、強制の範囲に至らない程度の実力行使は認められる(判例・通説)
(3)妥当。
→「本人がこれを拒んだ場合を除く」(3条1項2号)
(4)妥当。
→2条4項は、「警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる」と規定している
(5)妥当。
→7条は、武器使用の使用条件と危害条件を分けて規定
→危害条件は、使用条件を満たし、さらに正当防衛若しくは緊急避難に当たる場合又は7条1号若しくは2号の場合である

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