1月27日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑法〈4〉
次は、盗品等に関する罪についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)盗品等に関する罪とは、財産罪のうち、いわゆる領得罪とされる窃盗、強盗、詐欺、恐喝及び横領の罪によって不法に領得された物について、これを無償で譲り受ける行為、及び運搬・保管・有償譲り受け、有償の処分あっせん行為を内容とする犯罪である。
(2)本罪の客体は、財産罪によって領得された財物に限られるから、収賄罪において収受された賄賂は本罪の客体ではない。
(3)本犯の被害者が被害物に対する追求権を失っても、盗品等としての性格は失われない。
(4)本犯者が責任無能力者であるために、本犯が成立しない場合でも、本犯によって得られた財物を盗品等と認めて差し支えない。
(5)本罪が成立するには、盗品等であることの認識(知情)が必要であるが、本犯者・被害者が誰であるかを知る必要はない。

⇒盗品等に関する罪とは、財産罪(本犯)によって奪われた財物に対する被害者の追及・回復を困難にするとともに、その本犯である財産罪にもとづいて生起した違法な財産状態の維持にあずかる犯罪である。刑法は、盗品等の無償譲受け、運搬、保管、有償譲受け、および有償処分のあっせんの各行為を罰している(刑法256条)。
正解(3)
(3)誤り。
→本罪の客体は、財産罪によって領得された財物であって、被害者がそれに対して法律上追及しうる権限を有するものでなければならない
(1)正しい。
(2)正しい。
→本罪の客体は、以前は「贓物」と呼ばれていた
(4)正しい。
→本犯の犯罪行為は、構成要件に該当する違法なものであれば足り、有責なものであることを要しない
(5)正しい。
→本罪が成立するには、盗品等の認識は必要であるが、本犯に関しては、その財物が財産罪によって取得されたものであることの認識があれば足りる

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たのしい刑法 第2版

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刑法基本講義―総論・各論

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