2月24日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑法〈8〉
次は、詐欺罪についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)「人を欺」くとは、他人をだまして錯誤に陥らせることをいう。
(2)詐欺罪の主観的要件として、故意のほかに、不法領得の意思が必要である。
(3)詐欺罪が成立するためには、人を欺く行為と錯誤状態に陥ることと財物の交付との間に順次因果関係のあることを必要とする。
(4)詐欺罪の実行の着手時期は、財物の交付又は財産上不法の利益を得た時である。
(5)人を欺く行為をしても相手が錯誤に陥らず、れんびんの情から財物を交付したような場合は、詐欺未遂罪が成立する。

⇒詐欺罪は、窃盗罪・強盗罪とともに、財産罪に関する犯罪の中では、出題頻度の高い犯罪である。出題される範囲も広く、その成立要件の一つ一つが満遍なく出題されている。したがって、手を抜くことなく、ていねいに整理しておくことが要求される。

正解(4)
(4)誤り。
→詐欺罪の着手時期は、行為者が人を欺く行為を開始したときである
→問題文は、詐欺罪の既遂時期の説明である
(1)正しい。
→なお、人を欺く手段・方法に制限はなく、言語のよると動作によると、直接的であると間接的であるとを問わず、作為によると不作為によるとを問わない
(2)正しい。
判例・通説
(3)正しい。
→詐欺罪が成立するためには、欺罔行為→錯誤→処分行為→財産の移転の間に因果関係がなければならない
(5)正しい。
→詐欺罪が既遂となるには、欺罔行為→錯誤→処分行為→財物の移転の間に因果関係がなければならないから、れんびんの情から独自の意思で財物を交付しても詐欺未遂罪を構成するにすぎない

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刑法判例百選1総論(第6版) 別冊ジュリスト189

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刑法判例百選2各論(第6版) 別冊シ゛ュリスト190 (別冊ジュリスト)

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