3月2日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

次は、警察官職務執行法2条1項に定める職務質問の要件についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断」とは、警察官の主観的判断で足りず、例えば、その場所、時間、動作、着衣、所持品等の様子が不自然であるといった客観的な判断を要する。
(2)職務質問の対象として通常は対象とならない者であっても、緊急配備による人相・着衣等の手配により、類似者を発見した場合は、職務質問の対象とできる。
(3)「何らかの犯罪」とは、具体的な犯罪を特定しなくとも、何か刑罰法規に触れることを行っているのではないかという程度でよい。
(4)本項に規定する対象者は、いわゆる「不審者」と「証人的立場にある者」に分けられる。
(5)「証人的立場にある者」に対する職務質問であっても、「不審者」に対する職務質問の要件と同じく、「異常な挙動」であることを要する。

職務質問の対象者、手段と適法性の限界については、極めて出題頻度が高い。十分整理しておくべきである。

正解(5)
(5)誤り。
→「証人的立場にある者」に対する職務質問は、不審者に対する職務質問と異なり、異常な挙動等があることは不要
(1)正しい。
→警察官の判断が理由のない独断的なものであってはならず、一般人がその場に臨んだら当然異常と考えたであろう程度の客観性・合理性が必要
→ただし、警察官としての専門的知識経験を前提とした上で、合理的な判断によって不審とあると認められる場合を含む
(2)正しい。
→事前に情報取得しているときは、その情報を判断の資料とすることができる
(3)正しい。
→したがって、何らかの犯罪の疑いさえあれば足り、被疑事実の内容は不明確の状態でよい
(4)正しい。
→不審な点があることから職務質問の対象となる「不審者」と、犯罪について知っていると認められる「証人的立場にある者」に分けられる

http://syounin.com/

はじめての行政法 (有斐閣アルマ)

はじめての行政法 (有斐閣アルマ)

図解でわかる行政法 (入門の法律)

図解でわかる行政法 (入門の法律)