3月16日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈11〉
次は、行政強制についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)行政強制は、行政上の義務の不履行を前提とするか否かにより、「行政上の強制執行」と「行政上の即時強制」に分けることができる。
(2)行政強制は、国民の権利・自由を制限するものであるから、法律の根拠がなければ行うことができない。
(3)強制執行の一般法である行政代執行法は、その手段として、代執行、執行罰及び直接強制の3種類を定めている。
(4)即時強制は、事柄の性質上、行政機関が自ら行わなければその目的を達し難いときなどに、個別の法律の規定に基づいて行われ、例えば、警察官職務執行法に基づく「保護」などがこれに当たる。
(5)即時強制を行うことについては、公益上の必要性と相手方である国民の権利・自由の保護の必要性との均衡が求められ、その限界が極めて重視される。

⇒行政強制については、特に即時強制が警職法の各種の手段と関連するため、注意を要する。

正解(3)
(3)誤り。
→旧行政執行法は、代執行、執行罰及び直接強制の3種類を定めていたが、現在の行政上の強制執行の一般法である「行政代執行法」(昭和23年制定)は、その手段について、代執行だけを認めている(代執行法1条、2条参照)
(1)正しい。
→義務の不履行を前提とする行政上の強制執行と、義務の不履行を前提としない行政上の即時強制に分けられる
(2)正しい。
法治主義の原則の下に、行政強制を行うには法律の根拠が必要である
(4)正しい。
→例えば、路上に泥酔者が横たわっている場合、警察官が同行を命じても話が通ずるはずがない。このような場合、直ちに実力でこの者を適当な場所に連れて行って保護(警職法3条)する必要がある
(5)正しい。
→即時強制は、国民の権利・自由に重大な制限を加えるものであるから、公益上の必要性に加えて、国民の権利・自由の保護が必要であり、両者の均衡や、必要最小限の措置に限るなど、その限界が極めて重視される

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行政法

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はじめての行政法 (有斐閣アルマ)

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