4月6日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈14〉
次は、告訴についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)被害者が死亡したときは、配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、被害者の意思に反しない限り、告訴することができる。
(2)被害者の法定代理人が被疑者である場合には、被害者の親族は、独立して告訴することができる。
(3)死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる。
(4)親告罪について告訴をすることができる者がない場合には、検察官は利害関係人の申立てにより告訴をすることができる者をしてすることができる。
(5)代理人により告訴することができるが、代理人による告訴の取消しは認められない。

⇒「捜査の端緒」からの出題では、告訴に関する出題が最も多い。告訴の意義、要件である犯罪事実の申告と処罰を求める意思表示については、出題が多いので注意を要する。

正解(5)
(5)誤り。
→刑訴法240条は、「告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である」と規定する
→なお、代理人の資格には制限はなく、意思能力さえあればよく、また、代理には、告訴権者の授権を必要とする
(1)正しい。
→刑訴法231条2項
→被害者が死亡して告訴権を行使できない場合に、被害者を保護するため、親権者等の一定の親族に告訴権を与えている
→生前被害者が特に告訴しないという意思を表明していない限りという条件があることに注意
(2)正しい。
→刑訴法232条
→被害者が無能力者である場合は、法定代理人が独立して告訴することができる(231条1項)が
→その法定代理人が被疑者である等、告訴を期待することができない特別の事情がある場合に、無能力者保護のため告訴権者を広げたものである
(3)正しい。
→刑訴法233条
→死者の名誉を毀損した罪(刑法230条)については、死者自身は告訴することが不可能なので、死者の親族及び子孫に告訴権を付与したものである
(4)正しい。
→刑訴法234条
→告訴権者が現に存在しなかったり、存在しても告訴行為能力がない場合に、関係者(友人や恋人でもよい)の申立てによって、検察官は告訴権者を指定することができる
→なお、指定された者は告訴の義務を負うわけではない

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刑事訴訟法 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)

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刑事訴訟法判例百選 (別冊ジュリスト (No.174))

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