4月9日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

論文問題 憲法〈4〉
ビラ貼りをしていた男を職務質問したところ、男は「どこでビラを貼ろうが、表現の自由である。ビラ貼りを取り締まることは憲法違反だ。」と述べた。表現の自由について説明した上、軽犯罪法1条33号のはり札行為規制の合憲性について述べなさい。
答案構成例
1.表現の自由
2.表現の自由とその制約
3.はり札行為と表現の自由
4.はり札行為規制の合憲性

1.表現の自由
(1)意義
表現の自由とは、人の内心における精神作用を外部に公表する自由をいう
(2)憲法上の根拠
憲法21条1項は、一切の表現の自由を保障している
(3)表現の自由の重要性
→個人の人格を向上させるという個人的価値と、社会・政治に参加するために不可欠であるという社会的価値を有している
2.表現の自由とその制約
(1)公共の福祉による制約
表現の自由は、内心の自由と異なり、他人の権利・自由と衝突する可能性があり、公共の福祉によって制約される
(2)制約の程度
表現の自由は重要な人権であるから、制約はやむを得ない場合に限り必要最小限でのみ許される
3.はり札行為と表現の自由
→はり札行為は、人の内心を外部に発表するために、誰でも容易に利用できるものであるから、表現の自由について定めた憲法21条の保障の下にある
4.はり札行為規制の合憲性
(1)軽犯罪法
軽犯罪法(1条33号)は、みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をした場合を処罰している
(2)合憲性
軽犯罪法(1条33号)は、主として他人の家屋その他の工作物に関する財産権、管理権を保護するためにみだりにこれらの物にはり札をする行為を規制の対象とするもので、公共の福祉のための合理的制限であり、憲法21条に反するものではない

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別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

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