4月14日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

次は、国会議員についての記述であるが、正しいのはどれか。
(1)両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院の内外で責任を問われない。
(2)両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
(3)両議院の議員は、議院の承諾がない限り、国会の会期中、逮捕されない。
(4)何人も、同時にあるいは順次に両議院の議員たることはできない。
(5)両議院の議員は、それぞれ任期満了まで、その地位を失わない。

⇒国会議員は、全国民の代表者としてきわめて重要な権能を行使するので、多くの特典が認められている。国会議員に関する過去の出題例をみると、不逮捕特権(憲法50条)と発言の免責特権(51条)が圧倒的に多い。特に、時事的に国会議員の逮捕が話題になったときに、不逮捕特権に関する問題が出題されるという傾向にあるように思われる。

正解(2)
(2)正しい。
憲法49条
→歳費は、議員の勤務に対する報酬としての性質を有し、一年を基準に一定額を支給するものである
(1)誤り。
憲法51条は、「院外で責任を問われない」とする
→これによって議員の院内における発言の自由を保障しようとする趣旨である
→「院内」での責任はこれとは関係なく、憲法58条2項は議員に懲罰権を認めている
(3)誤り。
憲法50条は「法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず」と規定し、これを受けて国会法は、「院外における現行犯罪の場合」には、議院の承諾がなくても逮捕できるとする(国会法33条)
(4)誤り。
憲法48条は、「同時に」両議院の議員になることを禁止しているにすぎない
→かつて衆議院議員(参議院議員)であった者が後に参議院議員(衆議院議員)になることを禁止していない
(5)誤り。
参議院議員については、任期満了まで、その地位を失わない(憲法46条)が、衆議院議員については、解散の場合その任期満了前でも、その地位を失う(憲法45条ただし書)

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憲法 1 (有斐閣アルマ)

憲法 1 (有斐閣アルマ)

憲法 2 (有斐閣アルマ)

憲法 2 (有斐閣アルマ)