4月22日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

行政法〈16〉
次は、警察官職務執行法5条の「犯罪の予防・制止」についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)警告の方法には、口頭、拡声器の使用、文書の使用などがあるが、必要に応じ、警察官が行動によって示すことも可能であり、また、必要な範囲であれば、強制にわたらない限度での説得活動も認められる。
(2)制止の対象となる人の生命又は身体に危険を及ぼす犯罪は、殺人、傷害、暴行など刑法に規定された行為をいう。
(3)制止は、強制手段として行うことができ、相手方に受忍する義務を負わせるものである。
(4)ここでいう犯罪とは、構成要件に該当する違法な行為であることをもって足り、有責性は不要であると解される。
(5)制止は、既に犯罪が発生し、継続している場合には、警察官はその犯罪行為を制止することができる。

警職法5条の警告と制止の要件は、最低限憶えておくべきである。警告は任意手段として強制的に行うことはできないのに対して、制止は直接実力を行使できる即時強制である点に注意。ただ、警告は任意手段であるといっても、口頭等だけでなく、強制にわたらない限度で警棒等を使える点にも注意。

正解(2)
(2)誤り。
→制止は、警告と異なり、人の生命・身体、財産等に対する具体的危険を生じるおそれがある場合に限って行うことができる
→このような事態は、刑法等に規定された行為に限らず、道交法等の特別法違反によっても生じうる
(1)正しい。
→必要な範囲内であれば、強制にわたらない限度での活動は認められる
(3)正しい。
→制止は、目前急迫の障害を除く必要上、義務を命ずるいとまのない場合に行われる行政上の即時強制である
(4)正しい。
→本条の目的は、犯罪の発生を予防し社会公共の秩序を維持するという警察目的のためのものだからである
(5)正しい。
→犯罪が既遂に達し、しかも、その犯罪行為が完了してしまった場合には、もはや予防手段をとる余地はない
→しかし、法益侵害が継続又は発展しようとしている場合には、その部分について制止の措置をとることができるのは当然である

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はじめての行政法 (有斐閣アルマ)

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