4月28日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈17〉
次は、憲法に規定されている、いわゆる社会権を列挙したものであるが、誤りはどれか。
(1)教育を受ける権利
(2)国、公共団体に対する損害賠償請求権
(3)勤労の権利
(4)健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
(5)勤労者の団結権

社会権に関する問題は、社会権全体について総合的に問う問題が多い。したがって、各々の権利の性格を理解しておく必要がある。また、本問のように社会権を列挙し、その中の誤りを指摘させる問題がよく出題される。社会権と受益権(国務請求権)を区別できないと、正解には到達できないので、受益権も整理しておく必要がある。

正解(2)
(2)誤り。
社会権は、社会国家理念の下に、個人の生存、生活の維持・発展に必要な諸条件の確保を国家に要求する国民の権利をいう
憲法17条は、公務員の不法行為に対して損害賠償を請求する権利を保障しているが、これは個人の生存、生活の維持・発展に必要な諸条件の確保を国家に要求するというものではなく、単に国家の積極的な作為を要求する権利であり国務請求権(受益権)である
(1)正しい。
憲法26条
→教育を受ける権利は、国家に対し適切な教育の場を提供することを要求する社会権である
(3)正しい。
憲法27条
→労働の意思と能力を有する者が国家に働く機会を保障するように要求する社会権である
(4)正しい。
憲法25条
→国民が誰でも、人間的な生活を送ることができることを権利として宣言したもので、社会権の総則的な規定である
(5)正しい。
憲法28条
団結権は、労働者の団体を組織する権利であり、労働者を団結させて使用者の地位と対等に立たせるための権利である
→労働者に人間に値する生活を実現するための権利であり社会権である

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憲法判例 第6版

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別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

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