6月2日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈22〉
次は、法律と予算との相違点についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)予算は、国家機関を拘束するだけであるが、法律は一般国民を拘束する。
(2)予算の有効期間は、1会計年度であるが、法律は原則として適用期間が限定されない。
(3)予算は、公布を必要としない。
(4)予算の提出権は、内閣に専属するのに対し、法律案の提出権は国会に専属する。
(5)予算は、法律案と異なり、衆議院に先議権が認められている。

⇒「財政」からの出題は、本問のテーマである予算が中心である。予算の意義、法的性格、種類、予算の成立、は押さえておく必要がある。

正解(4)
(4)誤り。
→予算の提出権は内閣に専属する(憲法73条5号、86条)
→内閣に法律案提出権があることを明示した規定は、憲法にはないため、争いがあるが、通説は肯定する
→内閣法5条は、内閣に法律案提出権を認めている
(1)正しい。
→予算は政府を拘束するのみで、一般国民を直接拘束しない
→したがって、予算は法律と異なる特殊な法形式であると解されている
(2)正しい。
→予算は、一会計年度における国の財政行為の準則であり、予算の効力は一会計年度に限られている
(3)正しい。
憲法7条1号は、憲法改正、法律、制令および条約について、天皇の国事行為たる公布が必要であると規定するが、予算については規定していない
(5)正しい。
→予算は、先に衆議院に提出しなければならない(憲法60条1項)


SA試験合格のコツは、基礎的な問題を絶対に落とさないことにある、すなわち、受験生の半数以上が正解にできる問題を漏らさずとることができれば、合格点に達するのが通常である。そこで、受験対策としては、出題される確率の高い項目の基本的な事項について、確実に自分のものにしておくことが重要となる。
アンケート等から要望もあり、「今日の模擬試験」における法学科目の問題について、効率よく勉強するために、階級別と出題頻度が一目で分かるように印を付けることにした。法学科目の問題に限ったのは、法学の問題に出題頻度や階級別の特徴が現れる傾向が強いことによる。
巡査部長試験→長
警部補試験→補
警部試験→警
ただ、この分類は、「警」とした問題が「長」では出題されないという意味ではなく、「警」試験で出題されることが多い問題であることを示すことに注意
★★★→出題頻度が非常に高く、必ず理解・記憶しておくべき事項
★★→出題頻度は高い、特に前年度に出題がなければ要注意
★→出題頻度は低いが、押さえておきたいところ

憲法 1 (有斐閣アルマ)

憲法 1 (有斐閣アルマ)

憲法 2 (有斐閣アルマ)

憲法 2 (有斐閣アルマ)