6月16日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈24〉
次は、公務員の憲法上の地位についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)公務員の勤務関係は、特別の法律関係にあることから、法治主義の原則は排除され、基本的人権の保障は及ばない。
(2)公務員を選定、罷免することは、国民固有の権利であるが、それは、直ちにすべての公務員を直接に選定、罷免できるとする趣旨ではない。
(3)警察職員、消防職員、自衛隊員等はその職務の特殊性に照らして、団結権、団体交渉権、争議権とも認められない。
(4)何人も公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体にその賠償を求めることができる。
(5)すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

⇒公務員や在監者など公権力と特殊な関係にある者については、特別な人権制限が許されると考えられている。問題となるのは、それをどのように正当化するのかである。出題頻度はそれほど高くはないが、論文の簡記問題などでも出題されるテーマであるから、一度は整理しておくことが望ましい。

正解(1)
(1)誤り。
日本国憲法は、「法の支配」の原理を採用し、基本的人権の尊重を基本原理としているので、問題文のようにいうことはできない
→公務員の人権制限の根拠は、憲法が公務員関係の存在と自律性を憲法秩序の構成要素として認めていることに求めるのが妥当とされている
(2)正しい。
→公務員の選定罷免権が国民固有の権利であるというのは、あらゆる公務員の終局的任免権が国民にあるという、国民主権の原理を表明したもの
(3)正しい。
→警察職員、消防職員、海上保安庁または刑事施設において勤務する職員、自衛隊員は、団結権、団体交渉権、争議権のすべてが否認されている
(4)正しい。
憲法17条に定めるとおり
(5)正しい。
憲法15条2項に定めるとおり

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憲法 第四版

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