8月4日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈31〉

次は、政令についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)政令は、法律と異なり天皇の国事行為としての公布を必要としない。
(2)政令は、憲法及び国会の定立した法律を執行するため内閣が制定する命令の最高形式である。
(3)政令には、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣連署することを必要とする。
(4)政令の制定は、内閣の職務権限に属し、内閣の決定によって成立する。
(5)政令には、特に法律の委任のある場合を除いては、罰則を設けることができない。

政令に関する出題は、それほど多くはないが、階級を問わず、本問程度の知識は押さえておくべきである

正解(1)
(1)誤り。
憲法7条1号は、天皇の国事行為として、政令を公布することを挙げている
→なお、政令は、内閣の決定により(憲法73条6号)成立するが、公布がなされないと政令として執行されないので、公布は効力発生要件である
(2)正しい。
憲法は、内閣の行う事務の一つとして、「この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること」を挙げている(憲法73条6号)
政令とは、内閣の制定する命令をいうから、命令の最高形式である
→内閣以外の行政機関が制定する命令(布令・省令など)は、政令ではない
→なお、「憲法及び法律」は一体として読むべきであり、政令憲法を直接実施するということは認められない(これは国会が法律によってなすべきこと)と解されている
(3)正しい。
憲法74条は、問題文の旨を規定する
→これは、内閣の政令制定・執行責任の所在を明らかにしようとするものである
→なお、署名・連署は形式上のものでって拒否することは許されず、その欠缺も法律の効力を左右するものではない
(4)正しい。
政令は、その規定される事項について、主任の大臣が案を作成し、内閣総理大臣に提出し閣議を求め、閣議で決定する
(5)正しい。
憲法73条6号ただし書は、問題文の旨を規定する
→「罰則」とは、処罰を求めた規定をいう

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別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

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