9月23日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です

刑訴法〈37〉
次は、令状による捜索・差押えについての記述であるが、誤りはどれか。
(1)捜索許可状、差押許可状によって捜索・差押えを実行するには、まず、その許可状を処分を受ける者に示さなければならない。
(2)捜索・差押えのためには、錠を外し、封を開き、その他必要な処分を行うことができる。
(3)夜間執行の許可を受けていない場合には、日中に執行に着手し、途中で日没となったときは、執行を中止しなければならない。
(4)捜索・差押えの執行中は、警察官の許可を得ない者は、その場所に出入りすることを禁止できるし、その禁止に従わない者は、その場所の外に退去させることもできる。
(5)女子の身体について捜索する場合で、急速を要するとき以外は、成年の女子を立ち会わせなければならない。

⇒「物に対する強制捜査」からの出題では、「令状による捜索・差押え」と「令状によらない捜索・差押え」に関する問題が、階級を問わず圧倒的に多い。細かい知識も問われており、ていねいに整理しておく必要がある。

正解(3)

(3)誤り。
→日没前・日没後は、令状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、捜査機関は、捜索又は差押えの実行のため、人の住居等に立ち入ることができない(刑訴法222条3項、116条1項)
→しかし、日没前に差押え又は捜索の実行に着手したときは、日没後にになっても処分を継続することができる(222条3項、116条2項)
→夜間における私生活の平穏を保護するための規定である
(1)正しい。
→令状によって捜索・差押えを行う場合には、その「処分を受ける者」に令状を示さなければならない(222条1項、110条)
→手続の公正を担保し、処分を受ける者の不服申立てなどを確保してその利益を保護するための規定である
(2)正しい。
→刑訴法222条1項、111条は、差押状、捜索状の執行に必要な処分ができる旨を規定する
→証拠物等の捜索又は差押えあるいは被疑者の捜索の目的を達するための必要な手段として認めるものである
(4)正しい。
→捜索・差押えの執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる(222条1項、112条1項)
→この出入り禁止に従わない者を退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる(222条1項、112条2項)
→この処分は、執行に対する障害を防止し、執行の目的を達成するために行われるものである
(5)正しい。
→222条1項、115条ただし書
→執行手続の公正を担保するとともに、女性の羞恥心を不当に害することのないようにする趣旨である

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