6月8日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈23〉
次は、証拠能力についての記述であるが、正しいのはどれか。
(1)自白は、公判廷でなされたか否かを問わず、無条件で証拠能力が認められる。
(2)伝聞証拠は、すべて証拠能力が否定される。
(3)鑑定書は、無条件で証拠能力が認められる。
(4)戸籍謄本は、公判廷において真正に作成されたことを証言しなければ証拠能力が認められない。
(5)証拠とすることができない書面又は供述であっても、供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。

⇒証拠一般について、証拠に関する基本原則の意味は覚えておかなければならない。自白に関する問題は、補強証拠からの出題が圧倒的に多い。伝聞証拠に関しては、例外が重要である。条文(321条〜328条)に規定されている例外として認められるための要件を確認しておくことが必要である。

正解(5)
(5)正しい。
→刑訴法328条
→伝聞証拠を事実認定に用いるのではなく、単に公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の供述が裁判官の心証形成に与える力を争う目的のためだけであれば、伝聞法則は適用されず、その使用が許される
(1)誤り。
→自白は無条件で証拠能力が認められるわけではなく、任意性がある場合に限って証拠能力が認められる(319条1項)
(2)誤り。
→刑訴法は、原則として伝聞証拠の証拠能力を否定しながら(320条)、かなり広い例外を認めている(321条〜328条)
(3)誤り。
→鑑定人が真正に作成されたものであることを供述したときに証拠能力が認められる(321条4項)
(4)誤り。
→公の証明文書は、無条件で証拠能力が認められる(323条1項1号)

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条解刑事訴訟法

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刑事訴訟法判例百選 (別冊ジュリスト (No.174))

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