6月6日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

憲法〈72〉
次は、司法審査の限界についての記述であるが、正しいのはどれか。
(1)法律が国会において議決を経たものとされ、適法な手続によって公布されたとしても、その法律制定の議事手続は、司法審査の対象となり得る。
(2)国会に置かれる弾劾裁判所の行う裁判官の罷免は、裁判官の地位に関する重大な事項であるので、司法審査の対象となり得る。
(3)地方公共団体の議会の議員の除名処分は、議会の内部規律に属する問題であるので、司法審査の対象となり得ない。
(4)高度の政治性をもつ条約は、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限り、司法審査の対象となり得ない。
(5)衆議院の解散は、極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であるが、法律上の有効無効の判断が可能であるので、司法審査の対象となり得る。

⇒裁判所は、「一切の法律上の争訟を裁判」する(裁判所法3条)が、この原則には、いくつかの例外もある。それは、(1)議員の資格争訟の裁判(憲法55条)、裁判官の弾劾裁判(同64条)のように、憲法が特別の理由から明文で認めたもの、(2)国際法上の治外法権や条約による裁判権の制限のような国際法によって定められたもののほか、(3)国会ないし各議院の自律権に属する行為、行政機関ないし国会の自由裁量に属する行為、およびいわゆる統治行為など、法律上の係争ではあるが、事柄の性質上裁判所の審査に適しないと認められるもの、がそれである。

正解(4)

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憲法 1 人権 第4版 (有斐閣アルマ)

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別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

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