4月1日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈13〉
次は、令状による捜索・差押えについての記述であるが、誤りはどれか。
(1)捜索許可状・差押許可状によって、捜索・差押えを執行するには、まずその許可状を処分を受ける者に示さなければならない。
(2)捜索・差押えのためには、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。
(3)夜間執行の許可を受けていない場合には、日中に執行に着手し、途中で日没となったときは、執行を中止しなければならない。
(4)捜索・差押えの執行中は、警察官の許可を得ない者はその場所に出入りすることを禁止できるし、その禁止に従わない者はその場所の外に退去させることもできる。
(5)女子の身体について捜索する場合で、急速を要するとき以外は、成年の女子を立ち会わせなければならない。

⇒物に対する強制捜査は、令状による場合が原則であるが、出題もこの原則にかかわる基本問題が多い。しかし、出題される範囲は満遍ないので、手を抜くことはできない。なお、刑訴法222条は、裁判所が行う場合の規定を多く準用しているが、捜査機関が行う場合にどのように準用されているかを整理しておくと有効である。

正解(3)
(3)誤り。
→令状に夜間執行許可の記載がない限り、夜間執行は許されない(刑訴法222条3項、116条1項)のが原則である
→例外として、日没前に執行に着手したときは、日没後も継続できる(116条2項)
(1)正しい。
→刑訴法222条1項、110条
→「処分を受ける者」とは、差押物件・捜索場所等の現実の支配者をいい、「処分を受ける者」がその場にいないときは、立会人に示せば足りる
(2)正しい。
→刑訴法222条1項、111条
→「錠をはずし、封を開」くは、必要な処分の例示である
(4)正しい。
→刑訴法222条1項、112条
→令状の執行者(補助者は含まない)に、その妨害排除のための権限を認めたものである
(5)正しい。
→刑訴法222条1項、115条
→執行手続の公正さを担保するとともに、女性の羞恥心を不当に害することのないようにする趣旨であるから、本人の承諾があっても立会は必要である

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刑事訴訟法 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)

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刑事訴訟法判例百選 (別冊ジュリスト (No.174))

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